ストレスチェックで「高ストレス」と判定された人は、医師の面接(法律では「面接指導」といいます)を受けられます。この面接は、会社が命令して受けさせるものではなく、本人が申し出たときに行います。このコラムでは、面接の対象になる人、申し出から面接までの流れ、面接の結果が会社にどう伝わるかを説明します。
この記事でわかること
- 面接の対象になる人と、受けるかどうかを決める人
- 申し出から医師の意見までの流れと、期限のめやす
- 面接の日時・場所・費用と、医師が確かめること
- 面接の結果が、会社にどう伝わるか
- 申し出ない人・会社に知られたくない人への工夫
01面接の対象になる人
面接の対象になるのは、次の2つに当てはまる人です。実施者とは、ストレスチェックを担当する医師や保健師などです。
ストレスチェックで、高ストレスと判定された
実施者が「面接が必要」と認めた
高ストレスの判定のめやす(国の57問の質問票を使う場合)
国の57問の質問票を使う場合、高ストレスは、次のどちらかに当てはまる人です。
「心と体の反応」の点数が、とても高い
「心と体の反応」の点数がある程度高く、さらに「ストレスの原因」と「周りの支え」の点数も悪い
判定のしかたは、事前に社内の規程で決めておきます。
詳しくは『ストレスチェックは何のため? 目的と質問票』
02面接は、本人が申し出たときに行います
面接に関わることは、決める人がそれぞれ決まっています。
面接が必要かどうか
実施者が決める
面接を受けるかどうか
本人が決める
会社は命令できません
面接をする人
医師だけ
保健師などはできません
申し出をすすめられるのは、実施者だけ
実施者は、面接の対象なのに申し出ない人に、申し出をすすめることができます。会社は誰が高ストレスかを知らないので、すすめられるのは実施者だけです。
会社がしてはいけないこと
- 面接を申し出た人を、そのことを理由に不利に扱う(法律で禁止されています)
- 面接の対象なのに申し出ない人を、そのことを理由に不利に扱う
詳しくはストレスチェックで管理職がしてはいけないこと:部下への声かけのOK・NGと、結果の扱い
03申し出から面接までの流れ
- 1
結果を本人に届け、面接の対象であることを知らせる実施者
- 2
面接を申し出る本人
期限のめやす:結果が届いてから、おおむね1か月以内
- 3
面接の対象者かを確かめ、医師と日程を決める会社
- 4
医師に、働き方などの情報を渡す会社
期限のめやす:面接の前
- 5
面接をする医師
期限のめやす:申し出から、おおむね1か月以内
- 6
医師から、働き方についての意見を聞く会社
期限のめやす:面接から、遅くとも1か月以内
申し出の窓口
申し出は、会社の窓口にしてもらう形と、ストレスチェックを任せた外部の会社を通してしてもらう形があります。どちらでも、申し出たことは会社に伝わります。そのことを、前もって社員に知らせておきます。
医師に渡す情報
個人の結果は、社内の人の目に触れないように
外部の会社から封をしたまま取り寄せて渡すか、本人に面接のときに持ってきてもらいます。これらの情報を医師に渡すのは法律にもとづくことなので、本人の同意はいりません。ただ、渡すことを前もって本人に伝えておくのが望ましいとされています。
04面接の日時・場所・費用と、医師が確かめること
面接の日時・場所・費用
- 日時
- 勤務時間の中が望ましい。上司にも理解しておいてもらう
- 場所
- ほかの人に知られないよう、プライバシーに気をつける
- オンライン
- できる。ただし、医師が必要と認めたときは対面で行う
- 費用
- 会社が負担する。健康保険は使えない
- 面接する医師
- 実施者と別の医師でもよい。50人未満で産業医がいない事業場は、地域産業保健センター(無料)に頼める
医師が確かめる3つのこと
確かめること 1
働き方
労働時間や仕事の内容など
確かめること 2
ストレスの状態
確かめること 3
そのほかの心と体の状態
そのうえで、本人には、ストレスへの対処のしかたを伝えたり、必要なら病院の受診をすすめたりします。
05面接の結果は、会社にどう伝わるか
面接のあと、医師は会社に、働き方についての意見を出します。意見は、次の3つの区分です。
通常勤務今までどおり働いてよい
就業制限残業・出張・深夜業を減らす、仕事や場所を変えるなど
要休業休暇や休職で、しばらく仕事を休む
必要なら、職場の環境を良くするための意見も出します。
会社に伝わること・伝わらないこと
会社に伝わる
- 働き方の配慮に必要なこと(医師の意見)
会社には伝えない
- 病名
- 検査の数値
- 本人が話した、具体的な中身
詳しくはストレスチェックの面接のあと、会社がすること:医師の意見と働き方の配慮ストレスチェックの結果は会社に知られる? 会社が見られる情報・見られない情報と、同意の取り方『産業医の守秘義務とは? 面談で話したことは、会社にどこまで伝わるのか』
06申し出ない人・会社に知られたくない人には
面接の対象になっても、「会社に知られるのが心配」と申し出ない人もいます。高ストレスのまま放っておかれないように、次のような工夫があります。
会社に伝わることを、しぼっておく
社内の規程で、申し出たとき会社に伝えるのは「面接の対象者であること」だけ、と決めておけます。詳しい結果は、面接する医師だけが見ます。実施者から面接をすすめるときに、このことを伝えると安心してもらえます。
面接のほかに、相談できる窓口を知らせる
- 厚生労働省の「こころの耳」(電話・SNS・メールで、無料で相談できる)
- ストレスチェックを任せた外部の会社の相談サービス
- 社内のカウンセラーなどの相談窓口
案内する窓口は、相談した中身が会社に知られないものにします。産業医がいれば、法律の面接ではない「一般の健康相談」として話を聞くこともできます。その場合、結果は会社に伝わりません。
詳しくは『産業医がストレスチェックの共同実施者になると、何ができる?』『社員が産業医の面談を断ったら? 受ける義務がある面談・ない面談と、会社の対応』
申し出から面接までを1か月のめやすの中で進めるには、面接をお願いする医師を、前もって決めておくことが大切です。
津山産業医事務所なら
- 1
実施者と面接を、まとめて
ストレスチェックの実施者と、高ストレスの方の面接をあわせてお引き受けします。面接をする医師を、別に探す手間がかかりません。
- 2
オンラインの面接にも対応
訪問は14府県が中心で、オンラインの面談は全国に対応しています。
- 3
面接のあとの意見まで
面接のあとは、働き方についての意見をお伝えし、就業判定にも対応します。
おわりに
このコラムのまとめ
- 面接の対象は、高ストレスで、実施者が面接が必要と認めた人です。
- 面接を受けるかどうかは本人が決めます。会社は命令できません。
- 申し出・面接・医師の意見は、それぞれ1か月以内がめやすです。費用は会社が負担します。
- 会社に伝わるのは働き方の配慮についての意見で、病名などは伝わりません。
申し出があってから慌てないように、面接をお願いする医師と、社内の手順を先に決めておきましょう。
ストレスチェックのご相談は、津山産業医事務所へ
「面接をお願いできる医師がいない」「何から始めればいい?」という段階から、お気軽にご相談ください。
出典
- 厚生労働省「心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」(ストレスチェック指針) 7の(4)イ、8の(1)〜(5)、10、11の(3)イ・(5)
- 厚生労働省「ストレスチェック制度関係 Q&A」 Q9-1(面接をすすめるのは実施者)、Q12-1(実施と面接は別の人でもよい)
- 厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」(令和8年2月) 20〜22ページ(面接の申し出・実施・医師からの意見)、24ページ(面接のほかの相談窓口)
- 厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」(高ストレスの判定のめやす、申し出と面接の期限のめやす)
- 厚生労働省「働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト こころの耳」
- 法令:労働安全衛生法 第66条の10第3項〜第6項、労働安全衛生規則 第52条の15〜第52条の19
このコラムは、2026年10月時点の内容で書いています。



