ストレスチェックで高ストレスと判定された人が、医師の面接を受けたあと、会社にはすることがあります。医師から意見を聞き、必要なら働き方を配慮することです。進め方をまちがえると、本人にとって不利な扱いになってしまうこともあります。このコラムでは、面接のあとに会社がすることを、順番に説明します。
この記事でわかること
- 面接のあとの流れ
- 医師の意見の3つの区分と、会社が受け取る情報
- 配慮を決める前の、本人との話し合い
- 上司への伝え方と、してはいけないこと
- 記録の保存と、職場の改善へのつなげ方
01面接のあとの流れ
面接のあと、会社がすることは、大きく次の5つです。
- 1
医師から意見を聞く医師・会社
働き方の配慮が必要かどうか、どんな配慮がよいかを聞きます。
期限:面接のあと、遅くとも1か月以内
- 2
本人と話し合う会社・本人
配慮を決める前に、本人の意見を聞いて、よく話し合います。
- 3
配慮を決めて、行う会社
本人の事情も考えて、できる配慮をします。上司には、目的と内容を説明します。
- 4
よくなったら、元の働き方に戻す会社・医師
産業医などの意見を聞いてから戻します。
- 5
記録を残す会社
面接の結果の記録を、5年間保存します。
02医師から意見を聞く
会社は、面接をした医師から、働き方の配慮が必要かどうかについて意見を聞きます。これは法律で決められた義務です。面接のあと、遅くとも1か月以内に聞きます。
医師の意見は、次の3つの区分で出されます。
| 区分 | 内容 | 会社がすること |
|---|---|---|
| 通常勤務 | 今までどおり働いてよい | ― |
| 就業制限 | 働き方に制限が必要 | 残業や出張を減らす、仕事や場所を変えるなど |
| 要休業 | しばらく仕事を休む必要がある | 休暇や休職で、一定の期間、仕事を休んでもらう |
必要なときは、職場の環境を良くするための意見も出されます。
会社が受け取る情報
会社が受け取るもの
- 面接の結果と、医師の意見
- 働き方の配慮に必要な範囲の情報
会社には伝えられないもの
- 病名
- 検査の数値
- 本人が話した具体的な中身
会社のほうから医師に、病名や検査の数値などの詳しい医学的な情報を求めてはいけません。
詳しくは高ストレスと判定されたら? 医師の面接の流れ『産業医の意見書とは? 健康診断・面接指導・復職の場面ごとの様式と、会社が従わないとき・本人に見せるとき』
03配慮を決める前に、本人と話し合う
医師の意見を聞いて、配慮が必要なときは、会社は本人の事情も考えて、できる配慮をします。これも法律で決められています。配慮の中身を決めるときは、次の3つを守ります。
産業医の同席
国の指針では、本人の意見を聞くときは、必要に応じて、会社の産業医などが同席して行うのが適当とされています。
04配慮の例と、元の働き方に戻すとき
国の指針やマニュアルには、次のような配慮があげられています。
就業制限のとき
要休業のとき
療養のため、休暇や休職で、一定の期間、仕事を休んでもらいます。
よくなったら、元の働き方に戻す
配慮は、ずっと続けるものではありません。医師の意見にある期間をめどに、ストレスの状態がよくなってきたら、少しずつ、いつもの働き方に戻していきます。
05上司や職場への伝え方
配慮を実際に行うには、本人の上司の理解が欠かせません。プライバシーに気をつけながら、必要なことを説明します。
| 伝える相手 | 伝えること |
|---|---|
| 上司 | 配慮の目的と内容 |
| 上司がいないときは、同僚など | 仕事の量や分担を調えるのに必要な範囲で、配慮の目的と内容 |
伝えてよいのは、配慮に必要なことだけです
ストレスチェックの結果や面接の中身を、必要な範囲をこえて、上司や同僚に伝えてはいけません。
詳しくはストレスチェックの結果は会社に知られる? 会社が見られる情報・見られない情報と、同意の取り方
06してはいけないこと
面接の結果を理由に、してはいけないこと
- 解雇する
- 期間を決めて雇っている人の契約を、更新しない
- 退職をすすめる
- 不当な目的で、配置換えや役職の変更を命じる
- そのほか、労働契約法などの法律に反することをする
次のような進め方も、不利な扱いになります。
医師の意見を聞かずに、配慮を決める
医師の意見と、中身や程度が大きくちがう配慮をする
本人の事情を考えずに、配慮を決める
詳しくはストレスチェックで管理職がしてはいけないこと:部下への声かけのOK・NGと、結果の扱い
07面接の記録を5年間保存する
会社は、面接の結果の記録をつくり、5年間保存します。記録には、次の7つを書きます。
- 1面接をした日
- 2本人の名前
- 3面接をした医師の名前
- 4本人の働き方の状況
- 5本人のストレスの状況
- 6そのほかの、本人の心と体の状況
- 7本人の健康を守るために必要な配慮についての、医師の意見
記録には健康の情報が入るので、誰が扱うかを社内の決まりで決めておきます。
08職場の改善にもつなげる
面接をきっかけに、仕事の量のかたよりや、職場の人間関係など、職場の問題が見えてくることがあります。国のマニュアルでは、一人ひとりへの配慮だけで終わらせず、組織の困りごとに気づくきっかけとして、経営を良くすることに生かすのが大切だとされています。
詳しくは『ストレスチェックの集団分析とは? 結果を職場の改善につなげる方法』
面接のあとの配慮は、医師の意見を聞きながら、本人や職場と一緒に進めていくものです。迷ったときにすぐ相談できる産業医がいると、進めやすくなります。
津山産業医事務所なら
- 1
面接のあとの対応まで
結果を知っている産業医が、面接やそのあとの対応まで続けて担当します。面接は訪問のほか、オンラインで全国に対応しています。
- 2
就業判定や面談も
健康診断のあとの就業判定や、休職・復職の前の方の面談にも対応しています。
- 3
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部署ごとの結果分析にもとづく、職場の改善の提案まで対応します。
おわりに
このコラムのまとめ
- 面接のあと、会社は遅くとも1か月以内に、医師から意見を聞きます。
- 配慮を決める前に、本人の意見を聞いて話し合います。必要に応じて、産業医などが同席します。
- 上司には、配慮の目的と内容だけを伝えます。
- 面接の結果を理由に、解雇や不当な配置換えなどをしてはいけません。
- よくなったら、産業医などの意見を聞いて元の働き方に戻します。記録は5年間保存します。
面接は、受けてもらって終わりではありません。そのあとの配慮まで、ていねいにつなげていきましょう。
ストレスチェックのご相談は、津山産業医事務所へ
「医師の意見をどう生かせばいい?」「何から始めればいい?」という段階から、お気軽にご相談ください。
出典
- 厚生労働省「心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」(ストレスチェック指針) 8の(4)〜(6)(医師の意見、就業上の措置、記録の保存)、11の(3)エ(上司や同僚に伝える範囲)
- 厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」(令和8年2月) 22ページ(医師からの意見)、23ページ(就業上の措置)、25ページ(記録と保存)、30ページ(不利益取扱いの禁止)
- 法令:労働安全衛生法 第66条の10第5項・第6項、労働安全衛生規則 第52条の18・第52条の19
このコラムは、2026年10月時点の内容で書いています。



