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産業医選任報告の書き方:産業医を選んだ・変更したときの届出と電子申請の手順、2026年8月からの退任の報告

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常時50人以上の人が働く事業場で産業医を選んだとき・変更したときは、労働基準監督署に「産業医選任報告」を出します。2025年1月からは電子申請が原則になり、2026年8月1日からは、産業医がやめたとき(辞任・解任・退任)の報告も義務になりました。このコラムでは、報告に書く項目、添える書類、電子申請の手順、産業医を変更したときに書くことを、国の資料にそってまとめます。

この記事でわかること

  • 誰が、いつ、どこへ、どうやって出すか(産業医を選んだとき・変更したとき)
  • 報告に書く11の項目と、まちがえやすいところ
  • 添える書類(医師免許証の写しと、産業医の要件を証明するもの)
  • 入力支援サービスを使った電子申請の手順と、書面で出すとき
  • 2026年8月から:産業医がやめたときの報告

01誰が、いつ、どこへ出す?

誰が

会社(事業者)

本社でまとめず、50人以上の事業場ごとに出します。

いつ

選んだら、遅れずに

選ぶのは、選ぶ必要が生じた日から14日以内です。

どこへ

事業場の地域の労働基準監督署

本社の所在地ではなく、その事業場の所在地を受け持つ署です。

どうやって

電子申請が原則

電子申請がむずかしいときは、当分の間、書面でも出せます。

50人以上になった日
前の産業医がやめた日

14日以内

産業医を
選ぶ

遅れずに

選任報告を
出す

あわせて

社員に
知らせる

労働安全衛生規則 第13条第1項第1号・第2項、第98条の2。50人未満の事業場は、産業医を選ぶ義務も、報告の義務もありません。

報告が必要になるとき

場面出すものポイント
50人以上になり、はじめて産業医を選んだ選任報告「初めて選任した」ことも書きます。
産業医を変更した(交代した)選任報告(新しい産業医)前の産業医の氏名と、やめた日も書きます。これで、やめたことの報告も済みます。
産業医がやめて、次がまだ決まらない辞任等の報告(2026年8月から)次の産業医を選んだら、あらためて選任報告を出します。
1,000人以上になるなど、専属の産業医が必要になった選任報告(専属の産業医)3,000人を超えたら、2人以上を選びます。
50人未満になって、産業医がやめた報告の義務はない国は、選任の状況を知るために、報告することが望ましいとしています。

詳しくは産業医の選任義務とは? 50人以上の事業場が知っておくべきポイント産業医・ストレスチェックの「50人」の数え方:パートや派遣の人も入ります『支店・工場の産業医はどうする? 事業場ごとの選び方、1人の産業医が兼ねるとき、50人未満の支店の健康管理』

02報告に書く11の項目

報告に書くことは、労働安全衛生規則 第13条第2項で決まっています。入力支援サービスの画面も、書面の様式も、この項目にそっています。

  1. 1

    労働保険番号

    その事業場の労働保険番号です。

  2. 2

    事業の種類、事業場の名称・所在地・電話番号

    事業の種類は、書面の様式の書き方では、日本標準産業分類の中分類で書きます(例:食料品製造業、道路貨物運送業)。

  3. 3

    常時使用する労働者の数

    パート・アルバイトなども含めた、その事業場の人数です。

  4. 4

    決められた有害な業務に常時就く人の数

    深夜業を含む業務など、専属の産業医が必要かを決める業務(則 第13条第1項第3号)に就く人の数です。

  5. 5

    産業医の氏名・生年月日・選任年月日

    選任年月日は、その事業場の産業医として選んだ日です。

  6. 6

    産業医の要件の種別と、医籍の登録番号

    どの要件に当てはまるか(下の表)と、医師の登録番号です。

  7. 7

    産業医の専門科名

    内科など、産業医の専門の科です。

  8. 8

    専属かどうか、ほかに勤めている所の名称

    嘱託の産業医なら「専属でない」とし、勤めている医療機関などの名称も書きます。

  9. 9

    前任者の氏名と、辞任・解任・退任の年月日

    産業医が交代したときに書きます。

  10. 10

    初めて選任した場合は、その旨

    書面の様式では、参考事項の欄に「新規選任」と書きます。

  11. 11

    報告年月日と、事業者の職氏名

    例:代表取締役 〇〇 〇〇。押印は要りません。

労働安全衛生規則 第2条第2項・第13条第2項と、廃止前の様式第3号の書き方の注意から。押印は、2020年12月から要らなくなりました。

産業医の要件の種別

産業医は、医師であることに加えて、次のどれかに当てはまる必要があります(労働安全衛生規則 第14条第2項)。報告では、どれに当てはまるかを書きます。書面の様式では、次のコードで書きます。

コード産業医の要件
1厚生労働大臣が指定する者(法人)が行う、働く人の健康管理についての研修を修了した
2産業医を養成する課程のある、国が指定する大学(産業医科大学など)で、その課程を修めて卒業し、実習を履修した
3労働衛生コンサルタント試験(保健衛生)に合格した
4大学で労働衛生の科目を担当する教授・准教授・常勤の講師である、またはあった
5そのほか、厚生労働大臣が定める者
6平成8年10月1日以前に、国が定めた研修の受講を始め、修了した
7平成10年9月30日の時点で、産業医として3年以上の経験がある

医籍の登録番号と要件の証明は、契約のときに受け取っておく

報告には、産業医の医籍の登録番号や専門科名を書き、要件を証明する書類を添えます。産業医との契約のときに、医師免許証の写しと研修の修了証の写しなどを受け取っておくと、報告がすぐに出せます。

03添える書類

選任報告には、産業医の要件を証明する書類を添えます(労働安全衛生規則 第13条第2項)。入力支援サービスは、2026年8月に「産業医等の選任報告には添付資料が必須」と案内し、要件ごとの添付書類を次のように示しています。

産業医の要件添える書類
産業医の研修を修了した医師免許証の写し
研修の修了証の写し
産業医科大学などの課程を修めて卒業し、実習を履修した医師免許証の写し
それを証明する書類の写し(履修証明書、卒業証書など)
労働衛生コンサルタント試験(保健衛生)に合格した医師免許証の写し
合格証の写し
大学で労働衛生の科目を担当する教授・准教授・常勤の講師である、またはあった医師免許証の写し
それを証明する書類の写し(在職証明書の写しなど)
平成8年10月1日以前に、国が定めた研修の受講を始め、修了した医師免許証の写し
研修の修了証の写しなど
平成10年9月30日の時点で、産業医として3年以上の経験がある医師免許証の写し
それを証明する書類の写し(実務経験証明書など)

入力支援サービス「産業医選任報告の際に必要な添付書類」から。この確認の書面(チェック表)も、選任報告と添付書類と一緒に出すよう案内されています。

書類が足りないと、出し直しになります

入力支援サービスは、報告の内容に不備があったり、添付書類が漏れていたりすると、再申請になるとしています。出す前に、要件に合った書類がそろっているかを確かめます。

04電子申請の手順

電子申請は、e-Gov(イーガブ)電子申請のほか、厚生労働省の「労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービス」からできます。入力支援サービスを使う場合の流れです。

  1. 1

    アカウントを用意する

    e-Govアカウント、GビズID、Microsoftアカウントのどれかが必要です。電子署名や電子証明書は要りません。

  2. 2

    入力支援サービスで、選任報告の画面を開く

    「帳票作成メニュー(電子申請)」から、「総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告」を選びます。

  3. 3

    11の項目を入力する

    画面の左に様式のイメージ、右に入力欄が出ます。入力欄ごとに説明を開けます。入力したデータは端末に保存して、あとで使い直せます。

  4. 4

    添付書類を付ける

    医師免許証の写しなどのファイルを添えます。利用説明書では、ファイルは5つまで、合計15MB以下です。

  5. 5

    内容を確かめて、申請する

    受け付けられると「到達番号」が付きます。申請の内容はPDFにして残せます。

  6. 6

    審査の状況を確かめる

    到達番号から審査の状況を見られます。不備があったときは、直して出し直します。

入力支援サービスのページと「電子申請サービス利用説明書」から。画面の名前は変わることがあります。

書面で出すときは

電子申請がむずかしいときは、当分の間、書面でも出せます

パソコンを持っていないなど、電子申請がむずかしい事情があるときは、当分の間、書面で報告できます(令和6年の改正省令の経過措置)。書面は、廃止前の様式第3号(総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告)を使います。

  • 機械で読み取る様式なので、黒のボールペンで、枠からはみ出さないように書きます。入力支援サービスで作って印刷することもできます(印刷したものをコピーして使わない)。
  • 事業の種類は、日本標準産業分類の中分類で書きます。
  • 参考事項の欄に、産業医の専門科名と、開業している場合はその旨を書きます。初めて選んだときは「新規選任」と書きます。
  • 医師免許証の写しと、要件を証明する書類の写しを添えます。

衛生管理者の選任報告も同じ様式です

総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医の選任報告は、同じ様式(入力支援サービスでも同じ帳票)です。50人以上になったときは、衛生管理者の選任報告もあわせて出します。

詳しくは『定期健康診断結果報告とは? 労基署への出し方(電子申請)と書き方、健康診断個人票の5年保存』

052026年8月から:産業医がやめたときの報告

これまでは、産業医を選んだときに報告する決まりでした。2026年8月1日からは、産業医の辞任・解任・退任(まとめて「辞任等」)があったときも、遅れずに労働基準監督署に報告することが義務になりました(労働安全衛生規則 第13条第5項)。

すぐに次の産業医を選べたとき

新しい産業医の選任報告に、前の産業医の氏名と辞任等の年月日を書く

これで、辞任等の報告をあらためて出す必要はありません。

次の産業医がまだ決まらないとき

まず辞任等の報告を出し、次を選んだら選任報告を出す

辞任等の報告には、事業場のこと、報告年月日と事業者の職氏名、やめた産業医の氏名と辞任等の年月日を書きます。

労働安全衛生規則 第13条第5項、通達「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行について」(令和8年4月28日 基発0428第4号)。辞任等の報告も電子申請が原則で、当分の間は書面(廃止前の様式第3号)でも出せます。

  • 次の産業医は14日以内に:前の産業医がやめた日から14日以内に、次の産業医を選びます。
  • 衛生委員会への報告も:産業医がやめたとき・やめてもらったときは、そのことと理由を、衛生委員会(安全衛生委員会)にも報告します(則 第13条第4項)。労働基準監督署への報告とは別の決まりです。
  • 50人未満になってやめたときは:産業医を選ぶ義務がなくなったためにやめたときは、報告の義務はありません。国は、報告することが望ましいとしています。

詳しくは『産業医の契約書のひな形:決めておく8つの項目と印紙、産業医を変えるときの手続き』労働安全衛生法の改正はいつから? 2026年・2027年・2028年に変わることと、会社の準備を年表で確かめる

06出す前のチェックリスト

選任報告で、よく確かめておきたいところです。

産業医選任報告のチェックリスト

  1. 50人以上の事業場ごとに、その事業場の所在地の労働基準監督署へ出す本社でまとめて出すのではありません。

  2. 産業医は、選ぶ必要が生じた日から14日以内に選んだ50人以上になった日、前の産業医がやめた日から数えます。

  3. 11の項目を、条文の項目どおりに書いた専門科名、専属かどうか、ほかの勤め先も忘れずに。

  4. 産業医を変更したときは、前の産業医の氏名と、やめた日を書いたこれで辞任等の報告も済みます。

  5. 医師免許証の写しと、要件を証明する書類の写しを添えた要件ごとに必要な書類がちがいます。

  6. 報告のあと、社員に産業医のことを知らせた産業医の仕事、健康相談の申し込み方、情報の扱い方を、掲示や書面で知らせます(則 第98条の2)。

  7. 定期健康診断結果報告の産業医の氏名も、新しい産業医にした50人以上の事業場の結果報告には、産業医の氏名を書きます。

はじめての選任や交代のときは、契約と報告の段取りを産業医と一緒に進めると、14日以内の期限にも間に合わせやすくなります。

津山産業医事務所なら

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おわりに

このコラムのまとめ

  • 産業医を選んだら、事業場ごとに、その所在地の労働基準監督署へ、遅れずに選任報告を出します。
  • 2025年1月から電子申請が原則です。むずかしいときは、当分の間、廃止前の様式第3号で書面でも出せます。
  • 報告には11の項目を書き、医師免許証の写しと、産業医の要件を証明する書類の写しを添えます。
  • 2026年8月から、産業医がやめたときの報告も義務です。後任の選任報告に前任のことを書けば、別に出す必要はありません。
  • 報告のあとは、社員への周知と、定期健康診断結果報告の産業医の氏名も忘れずに。

選任報告は、産業医との関係の始まりの手続きです。書類を早めにそろえ、期限の中で落ち着いて出しましょう。

産業医を選ぶ義務は産業医の選任義務とは? 50人以上の事業場が知っておくべきポイント

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「うちは対象?」「何から始めればいい?」という段階から、お気軽にご相談ください。

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メール:tsuyama-sangyoi@tsuyama-sangyoi.com

出典

このコラムは、2026年10月時点の内容で書いています。