ストレスチェックと産業医の選任は、働く人が「常に50人以上」いる事業場の義務です。この「50人」は、正社員だけで数えるのではありません。パートやアルバイト、受け入れている派遣の人も入るので、正社員が40人の会社でも義務になることがあります。
この記事でわかること
- 「50人」は、会社全体ではなく事業場ごとに数えること
- 数える人:パート・アルバイトや派遣の人も入る
- 正社員40人でも義務になる例と、数え直すときのチェック
- 50人に数える人と、ストレスチェックの対象になる人のちがい
- 50人以上になったら、会社がすること
01会社全体ではなく、事業場ごとに数えます
50人かどうかは、会社全体の人数ではなく、本社・工場・支店・営業所など、働く場所(事業場)ごとに数えます。同じ場所にあるものは1つの事業場です。場所が離れていれば、同じ会社でも別の事業場になります。
たとえば、合計120人の会社
本社
35人
50人未満工場
65人
50人以上営業所
20人
50人未満「50人以上」の義務がかかるのは、工場だけです
2028年4月からは、50人未満の事業場もストレスチェックが義務になります。
詳しくは『支店・工場の産業医はどうする? 事業場ごとの選び方、1人の産業医が兼ねるとき、50人未満の支店の健康管理』
02数える人:続けて雇っている人は全員です
数えるかどうかは、契約の期間や週の労働時間では決まりません。続けて雇い、ふだんから働いてもらっているかで決まります。
正社員・契約社員
数える契約の期間が短くても、続けて雇っていれば数える
パート・アルバイト
数える週1回の出勤の人でも、続けて雇っていれば数える
受け入れている派遣の人
数える受け入れている会社(派遣先)と、派遣元の会社の両方で数える
「短い時間しか働かないから」「うちの社員ではないから」といって、人数から外すことはできません。
03例:正社員40人でも、義務になることがあります
正社員・契約社員
40人
パート・アルバイト
6人
受け入れている派遣の人
5人
この事業場の人数
51人
50人以上合計が51人なので、この事業場は50人以上です。産業医の選任とストレスチェックが義務になります。
国のQ&Aにも、正社員40人と派遣の人20人の、合わせて60人の事業場の例があります。この場合も、受け入れている会社に、ストレスチェックの義務があります。
正社員の人数だけで「うちは50人未満」と考えていると、気づかないうちに義務を果たせていないことがあります。一度、次の3つを確かめながら数え直してみてください。
数え直すときのチェック
- 1
本社・工場・支店など、場所(事業場)ごとに分けて数えた
- 2
パート・アルバイトを入れた週1回の人も、続けて雇っていれば入れる
- 3
受け入れている派遣の人を入れた
04数える人と、ストレスチェックの対象になる人は別です
50人に数えた人が全員、ストレスチェックの対象になるわけではありません。対象になるのは、健康診断の対象と同じ人です。
50人に数える人続けて雇っている人は全員
ストレスチェックの対象健康診断の対象と同じ
- 正社員(全員)
- 下の①②の両方に当てはまる
パート・契約社員など
数えるけれど、対象ではない人
- ①②に当てはまらないパート・アルバイト週の労働時間が、正社員の4分の3未満の人など
- 受け入れている派遣の人ストレスチェックは派遣元の会社がする
パート・契約社員などが対象になる条件
期間の定めがない、または1年以上働く見込みがある(すでに1年以上働いている人も)
週の労働時間が、同じ仕事をする正社員の4分の3以上
4分の3未満でも、①に当てはまり、正社員のおおむね2分の1以上働く人には、実施するのが望ましいとされています。
対象の人が50人未満でも
数える人が50人以上なら、産業医の選任や、労働基準監督署への報告が必要です。
詳しくは『ストレスチェックの対象になる人:パート・休職中・出向などの場合』『パート・アルバイトの健康診断は義務? 対象になる2つの条件と、会社がすること』
05派遣の人のストレスチェックは、派遣元の会社がします
派遣の人は、受け入れている会社の50人の数には入ります。でも、ストレスチェックを受けさせる義務は、派遣元の会社にあります。
| すること | 派遣元の会社 | 受け入れている会社 |
|---|---|---|
| 50人の数に入れる | 入れる | 入れる |
| ストレスチェックを受けさせる | 義務 | 義務ではない |
| 集団分析(職場ごとの集計)に入れる | ― | 入れるのが望ましい一緒に受けてもらう |
| 労働基準監督署への報告の人数 | 入れるストレスチェックの対象の人 | 入れない |
一緒に受けてもらうのがおすすめです
派遣の人も、同じ職場で働く仲間です。国の指針でも、受け入れている会社で一緒にストレスチェックを受けてもらい、職場ごとの集計・分析に入れるのが望ましいとされています。
詳しくは『派遣社員の健康管理は、派遣元と派遣先のどちらがする? 健康診断・面接指導・ストレスチェックの分担表』
0650人以上になったら、会社がすること
事業場が50人以上になると、ストレスチェックのほかにも、次のことが義務になります。
産業医を選ぶ
50人以上になった日から数えます。選んだら、労働基準監督署に届け出ます。
衛生管理者を選ぶ
50人以上になった日から数えます。選んだら、労働基準監督署に届け出ます。
衛生委員会を開く
ストレスチェック
結果を、労働基準監督署に報告します。
健康診断の結果の報告
定期健康診断の結果を、労働基準監督署に報告します。
報告をしないと、罰則があります
ストレスチェックをしないことそのものには、罰則はありません。ただし、産業医を選ばない、報告をしない、うその報告をする、といった場合は、50万円以下の罰金の対象です。ストレスチェックをしなかった年も、報告は必要です。
詳しくは『ストレスチェックの罰則は? 実施しない・報告しないときと、労基署への報告のしかた』従業員50人以上になったら? 会社の義務になることの一覧と期限(産業医・衛生管理者・衛生委員会・ストレスチェック)
50人を超えると、産業医の選任から毎月の衛生委員会まで、することが一度に増えます。人数が50人に近づいてきたら、早めに相談先を決めておくと安心です。
津山産業医事務所なら
- 1
人数が増える前から
50人未満の事業場のご相談もお受けしています。人数が増えて50人を超えたときは、そのまま産業医の契約に切り替えられます。
- 2
選任のあとの毎月の仕事も
職場巡視、衛生委員会への出席、健康診断のあとの就業判定、面談に対応します。代表が自ら現場に伺います。
- 3
ストレスチェックも、まとめて
実施計画づくりから、高ストレスの方の面接、部署ごとの結果分析にもとづく職場の改善の提案まで対応します。
おわりに
このコラムのまとめ
- 「50人」は、会社全体ではなく、事業場ごとに数えます。
- パート・アルバイト(週1回の人も)や、受け入れている派遣の人も数えます。
- 50人に数える人と、ストレスチェックの対象になる人は別です。
- 派遣の人のストレスチェックは、派遣元の会社がします。
- 2028年4月からは、50人未満の事業場もストレスチェックが義務になります。
正社員の人数だけで判断せず、一度、事業場ごとに数え直してみてください。
詳しくは50人未満の事業場もストレスチェックが義務に(2028年4月から)
産業医・ストレスチェックのご相談は、津山産業医事務所へ
「うちは50人以上になる?」「何から始めればいい?」という段階から、お気軽にご相談ください。
出典
- 厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」(令和8年2月) 6ページ(対象になる人、事業場の考え方、【参考】労働基準監督署への報告の要否の基準)
- 厚生労働省「ストレスチェック制度関係 Q&A」 Q0-2、Q0-12、Q18-1〜Q18-4、Q19-6、Q19-10
- 厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」 30ページ(対象になる人)
- 厚生労働省「心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」(ストレスチェック指針)
- 法令:労働安全衛生法 第12条・第13条・第18条・第66条の10・第100条・第120条、労働安全衛生法施行令 第4条・第5条・第9条、労働安全衛生規則 第7条・第13条・第23条・第52条・第52条の9・第52条の21、令和8年政令第195号
このコラムは、2026年10月時点の内容で書いています。



