トップ/コラム

Column

衛生委員会の開き方:月別の議題の例と、議事録の書き方

執筆者
衛生委員会の開き方:月別の議題の例と、議事録の書き方のイメージ画像

常時50人以上の人が働く事業場は、衛生委員会をつくり、毎月1回以上開くことが法律で決まっています。はじめて担当になると、「毎月、何を話し合えばいいのか」「議事録には何を書くのか」で迷いがちです。このコラムでは、委員の選び方、法律で決まっている議題、4月から3月までの月別の議題の例、議事録の書き方までを、順番にまとめます。

この記事でわかること

  • 衛生委員会をつくる事業場と、委員の選び方
  • 法律で決まっている、話し合うこと
  • 毎月の進め方と、4月から3月までの月別の議題の例
  • 開いたあとにすること(働く人に知らせる・記録を残す)と、議事録の例
  • オンラインや、メールでの「書面開催」で開くときの条件

01衛生委員会とは:働く人の健康について、毎月話し合う場

衛生委員会は、働く人の健康を守るための対策について話し合い(法律では「調査審議」といいます)、会社に意見を言うための会議です。会社(事業者)がつくり、会社の側と働く人の側が一緒に話し合います。

つくる事業場

常時50人以上

業種を問わず、事業場ごとに数えます。

開く回数

毎月1回以上

会の進め方は、委員会で決めます。

記録の保存

3年間

開くたびに記録して、保存します。

人数は会社全体ではなく、本社・支店・工場などの事業場ごとに数えます。パートやアルバイトの人も入ります。

話し合うことの大きな柱(法律の4つ)

  • 働く人の健康障害を防ぐための、基本の対策
  • 働く人の健康を保ち、増進するための、基本の対策
  • 仕事が原因のけがや病気(労働災害)の原因と再発防止のうち、衛生に関わるもの
  • そのほか、健康障害を防ぎ、健康を保つための大事なこと

つくらないと、罰則の対象に

衛生委員会をつくらなければならない事業場がつくらないと、50万円以下の罰金の対象になります(労働安全衛生法 第120条)。

業種によっては「安全委員会」も

次の業種で、決まった人数以上が働く事業場は、安全委員会もつくります。その場合は、2つをまとめて「安全衛生委員会」にすることができます。

人数業種
常時50人以上林業、鉱業、建設業、製造業のうち木材・木製品製造業・化学工業・鉄鋼業・金属製品製造業・輸送用機械器具製造業、運送業のうち道路貨物運送業・港湾運送業、自動車整備業、機械修理業、清掃業
常時100人以上上のほかの製造業(物の加工業を含む)と運送業、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゅう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゅう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業

50人未満の事業場は

衛生委員会をつくる義務はありませんが、安全や衛生について、関係する働く人の意見を聞く機会を設けることになっています。

02委員になる人と、選び方

委員は、すべて会社が指名します。法律で決まっている顔ぶれは、次の4つです。

議長(1人)

総括安全衛生管理者か、工場長・支店長など、その事業場の仕事をまとめている人(またはそれに準ずる人)

衛生管理者

衛生管理者の中から

産業医

産業医の中から

働く人

その事業場で、衛生について経験のある人

このほか、社内に作業環境測定をしている作業環境測定士がいれば、委員にすることができます。委員の人数は、法律では決まっていません。

議長のほかの委員は、半数を「働く人の側」の推薦で

議長をのぞく委員の半数は、働く人の過半数でつくる労働組合(ないときは、働く人の過半数を代表する人)の推薦にもとづいて指名します。会社の側だけで全員を選ぶことはできません。

議長

1人

議長のほかの委員(例:4人)

会社が選んで指名

衛生管理者・産業医など

推薦にもとづいて指名

労働組合か、働く人の過半数の代表が推薦

半数ずつ

労働組合との労働協約で別の決まりがあるときは、その範囲で、この決まりは使われません。

詳しくは『衛生管理者とは? 選ぶ人数・第一種と第二種のちがい、仕事と免許の取り方』

03法律で決まっている議題

法律の4つの柱のうち「そのほか大事なこと」には、国の決まり(労働安全衛生規則 第22条)で、次の12の事項が含まれるとされています。内容で4つに分けると、次のとおりです。

決まりと計画

  • 衛生に関する規程をつくる
  • 安全衛生の計画(衛生の部分)をつくり、実行し、評価して改善する
  • 衛生教育の実施計画をつくる
  • 健康づくり(健康の保持増進)の実施計画をつくる

職場の有害なもの

  • 危険性・有害性の調査(リスクアセスメント)と、その結果にもとづく対策のうち、衛生に関わるもの
  • 化学物質の有害性の調査(新しい化学物質を作る・輸入するときなど)と、その対策
  • 作業環境測定の結果と、その評価にもとづく対策
  • 化学物質(リスクアセスメント対象物)にさらされる程度を減らす対策と、それに関わる医師などによる健康診断

健康診断・働き方・心の健康

  • 健康診断や、医師の診断などの結果と、その対策
  • 長時間労働による健康障害を防ぐ対策
  • 心の健康(メンタルヘルス)を保ち、増進する対策

国からの指導

  • 労働基準監督署などから、文書で受けた命令・指示・勧告・指導のうち、健康障害の防止に関すること

12の事項を、毎回すべて話し合うわけではありません。1年の計画の中で、時期に合わせて取り上げていくと進めやすくなります。

国の指針で、衛生委員会で話し合うとされていること

  • 心の健康づくり計画と、それを進める体制、心の健康の情報の扱い方の決まり(メンタルヘルスの指針)
  • ストレスチェックの実施方法など(ストレスチェックの指針)
  • 職場復帰支援プログラム(休職から復職までの流れ):衛生委員会で話し合い、産業医の助言を受けてつくります(メンタルヘルスの指針)
  • 健康診断のあとの医師の意見:必要に応じて委員会に報告します。そのときは、個人が特定されないようにまとめます(健康診断のあとの措置の指針)

詳しくはストレスチェックとは? 全体をやさしく解説社員のメンタル不調、会社は何をする? 予防から休職・復職までの全体『化学物質の自律的な管理とは? 化学物質管理者の選任やリスクアセスメントなど、会社がすること』

04毎月の進め方:決まった報告と、その月のテーマ

毎月の会は、毎回の報告とその月のテーマの2つに分けておくと、議題に迷いにくくなります。

毎回の報告(例)

  • 前回決めたことの進み具合
  • 職場巡視(産業医・衛生管理者)で気づいたこと
  • 長時間労働者の人数
  • けがや病気で休んでいる人の人数
  • 健康診断・ストレスチェックの進み具合(その時期に)

その月のテーマ(例)

  • 1年の計画から1つ(下の月別の例)
  • 職場から出た困りごとや提案
  • 産業医からの話(季節の健康の話など)

報告は人数で。名前は出しません

時間外労働や、休んでいる人の報告は、人数などにまとめ、名前や病名は出しません。健康の情報は、健康を守るのに必要な範囲で扱うことが法律で決まっています。

1回の会の流れ(例)

  1. はじめに

    前回の議事録と、決めたことの進み具合を確かめる

  2. 報告

    職場巡視の結果、時間外労働の状況、休んでいる人の状況などを報告する

  3. 話し合い

    その月のテーマについて話し合い、委員会の意見をまとめる

  4. 産業医から

    季節の健康の話や、職場で気づいたことを話す

  5. おわりに

    決まったこと、次回までにすること、次回の日とテーマを確かめる

詳しくは産業医の職場巡視とは? 見るところ15項目(暑さ・換気・騒音など)と、毎月1回の決まり・当日の流れ

05月別の議題の例(4月〜3月)

4月に始まる会社の例です。健康診断やストレスチェックの時期は会社ごとにちがうので、自分の会社の予定に合わせて並べかえてください。月ごとに、話し合うことの例、その月の国の週間・月間、産業医からの話の例、くわしいコラムをまとめました。

国の週間・月間は、令和8年度(2026年度)のものです。日付は年によって変わることがあるので、毎年確かめてください。

4月の議題:今年の衛生の計画と、委員会の決まり

新しい年度の始まりです。1年の計画を立て、委員の顔ぶれと委員会の進め方を確かめます。

話し合うことの例

  • 今年の衛生の計画(重点にすることと、目標)
  • 委員の顔ぶれ(異動や退職で変わった人がいないか)と、委員会の決まり(規程)の確認
  • 1年の議題の予定(この月別の例を、自分の会社の予定に合わせる)
  • 新しく入った人への、雇入れ時の安全衛生教育の予定

この月の国の週間・月間

  • STOP!熱中症 クールワークキャンペーンの準備期間(4月)
ほかのテーマの候補
熱中症の準備(暑くなる前の5月に向けて)、新しく入った人・異動した人の体調
産業医からの話(例)
新しい環境での睡眠と、困ったときの相談先

くわしいコラム

  • 『年間の安全衛生計画の作り方:入れる項目と目標の立て方、1年の行事と計画表の例』
  • 『雇入れ時の安全衛生教育とは? 2024年4月からすべての業種で必要な8つの項目と、教え方・記録の残し方』

5月の議題:熱中症の対策

本格的に暑くなる前に、熱中症の対策を決めて、社員に知らせておく時期です。

話し合うことの例

  • 具合が悪くなった人を見つけたときの、報告の体制(誰に、どう知らせるか)
  • 悪くなるのを防ぐ手順(作業から離す・体を冷やす・医療機関へ)と、社員への知らせ方
  • 暑さ指数(WBGT)の確かめ方と、休憩・水分と塩分のとり方
  • 暑さに慣れていない人(新しく入った人など)への配慮

この月の国の週間・月間

  • STOP!熱中症 クールワークキャンペーン(5〜9月)
  • 世界禁煙デー(5月31日)
  • 禁煙週間(5月31日〜6月6日)
ほかのテーマの候補
たばこと受動喫煙(禁煙週間に合わせて)、新しく入った人の心と体の調子
産業医からの話(例)
暑さに慣れていない時期の注意と、水分・塩分のとり方

くわしいコラム

  • 『職場の熱中症対策の義務化とは? 対象の作業と3つの義務、症状・応急処置・WBGTと夏までの準備』
  • 『職場のたばこ対策とは? 受動喫煙を防ぐ会社の義務、喫煙室の基準・罰則と禁煙の支え方』
  • 『新入社員の「五月病」、会社はどうする? 5〜6月に出やすい不調の気づき方と、上司・人事がすること』

熱中症のおそれがある作業をする職場は

暑い場所で続けて行う作業など、熱中症のおそれがある作業をするときは、前もって、具合が悪くなった人を報告する体制と、悪くなるのを防ぐ手順を決め、作業する人に知らせることが決まっています(労働安全衛生規則 第612条の2)。

6月の議題:健康診断の受け方と、全員が受けるための段取り

定期健康診断を行う時期の例です。受ける日程と、まだ受けていない人への声かけを確かめます。

話し合うことの例

  • 受ける日程と場所(巡回の健診か、医療機関で受けるか)
  • まだ受けていない人への声かけと、受ける日の仕事の調整
  • パート・アルバイトなど、対象になる人の確認
  • 深夜業など、6か月以内ごとに健康診断が必要な人の確認

この月の国の週間・月間

  • 全国安全週間の準備期間(6月)
ほかのテーマの候補
食中毒の予防(気温が高くなる前に)
産業医からの話(例)
健康診断を受ける意味(受けることは、社員の義務でもあること)

くわしいコラム

7月の議題:健康診断の結果と、医師の意見をふまえた対策

健康診断の結果がそろったら、全体の傾向と、結果のあとの対策を話し合います。

話し合うことの例

  • 全体の傾向(所見のある人の割合など。個人がわからない形で)
  • 再検査・精密検査のすすめ方
  • 医師の意見をふまえた、働き方の配慮などの対策
  • 労働基準監督署への定期健康診断結果報告(常時50人以上の事業場)

この月の国の週間・月間

  • 全国安全週間(7月1日〜7日)
  • STOP!熱中症 クールワークキャンペーンの重点取組期間(7月)
ほかのテーマの候補
熱中症の対策の見直し(重点取組期間に合わせて)、夏バテと冷房
産業医からの話(例)
健康診断の数字の見方(血圧・血糖・脂質など)

くわしいコラム

8月の議題:衛生教育と、衛生講話の計画

社内で行う健康の教育や、衛生講話の計画を話し合います。「衛生教育の実施計画」は、法律で決まっている議題の一つです。

話し合うことの例

  • 衛生講話のテーマと、話す人・時期(朝礼や、委員会のあとなど)
  • 新しく入った人や、仕事が変わった人への教育
  • 健康診断の結果から、教育で取り上げたいこと

この月の国の週間・月間

  • 食品衛生月間(8月)
  • 防災週間(8月30日〜9月5日)
ほかのテーマの候補
食中毒の予防、防災と持病のある社員の備え
産業医からの話(例)
健康診断の結果から見えた、職場で気をつけたいこと

くわしいコラム

  • 『衛生講話のテーマ例と進め方:話題の選び方と一覧、5分で話す組み立て方』
  • 『衛生講話の年間カレンダー:4月から3月までの月別テーマ例と、国の週間・月間の使い方』

9月の議題:ストレスチェックの準備

秋にストレスチェックを行う会社の例です。実施の方法や結果の扱い方は、衛生委員会で話し合って決めます。

話し合うことの例

  • 実施の時期と方法(外部に任せるか、自社で行うか)
  • 実施者と、事務をする人
  • 結果の扱い方(本人の同意がなければ、個人の結果は会社に伝わらないこと)
  • 医師の面接の申し出の方法と、集団分析の進め方

この月の国の週間・月間

  • 全国労働衛生週間の準備期間(9月1日〜30日)
  • 職場の健康診断実施強化月間(9月)
  • 健康増進普及月間(9月)
  • 自殺予防週間(9月10日〜16日)
ほかのテーマの候補
全国労働衛生週間(10月)の準備、健康診断のあとの措置の確認(職場の健康診断実施強化月間に合わせて)
産業医からの話(例)
ストレスチェックの目的と、受けたあとの相談のしかた

10月の議題:長時間労働を減らす取り組み

全国労働衛生週間がある月です。時間外労働の状況を確かめ、減らす取り組みと、医師の面接指導のしくみを話し合います。

話し合うことの例

  • 部署ごとの時間外労働の状況(人数で)と、減らすための取り組み
  • 長時間労働者への医師の面接指導の流れ(対象になる人への知らせ方と、申し出の方法)
  • 管理職や裁量労働制の人も含めた、労働時間の状況の把握
  • 忙しくなる年末に向けた、仕事の分担の見直し

この月の国の週間・月間

  • 全国労働衛生週間(10月1日〜7日)
  • 世界メンタルヘルスデー(10月10日)
  • がん検診受診率向上に向けた集中キャンペーン(10月)
ほかのテーマの候補
全国労働衛生週間の取り組み(職場巡視やスローガンの掲示など)、がん検診の受け方
産業医からの話(例)
疲れがたまったときのサインと、睡眠の大切さ

くわしいコラム

11月の議題:冬の感染症の対策

インフルエンザなどの感染症が広がりやすい冬の前に、予防と、職場で広げないための決まりを確かめます。

話し合うことの例

  • 手洗い・換気・せきエチケットなど、職場でできる予防
  • 具合が悪いときに休みやすくする決まり(出勤を控えてもらうめやすと、休んだときの扱い)
  • 社員が吐いたときの処理など、ノロウイルスへの備え
  • 予防接種の案内のしかた

この月の国の週間・月間

  • 過労死等防止啓発月間・過重労働解消キャンペーン(11月)
  • アルコール関連問題啓発週間(11月10日〜16日)
ほかのテーマの候補
過重労働の防止(過労死等防止啓発月間に合わせて)、お酒の飲み方(年末の飲み会の前に)
産業医からの話(例)
インフルエンザの予防と、具合が悪いときの休み方

12月の議題:職場の環境の見直しと、1年の職場巡視のまとめ

寒くなり、窓を閉めることが多くなる時期です。換気・明るさ・室温などの職場の環境と、1年の職場巡視で気づいたことを見直します。

話し合うことの例

  • 換気・明るさ・室温と湿度など、事務所の環境
  • 1年の職場巡視で気づいたことと、改善が終わったかどうか
  • 通路の荷物や暗い場所など、年末の片づけに合わせて直せること

この月の国の週間・月間

  • 職場のハラスメント撲滅月間(12月)
ほかのテーマの候補
ハラスメントの防止(2026年10月からは、カスタマーハラスメントへの対策も会社の義務)
産業医からの話(例)
寒い時期の入浴(ヒートショック)と、乾燥する時期の体調管理

1月の議題:ストレスチェックの結果と、職場の改善

秋に行ったストレスチェックの、部署ごとの結果(集団分析)を見て、職場の改善を話し合います。

話し合うことの例

  • 部署ごとの結果(集団分析)と、気になる部署
  • 職場の改善の進め方(社員の声を聞き、できることから始める)
  • 医師の面接の実施状況(人数で)と、面接のあとの対応
  • 労働基準監督署への結果の報告(常時50人以上の事業場)
ほかのテーマの候補
冬の感染症の続き、1年の健康の目標(歩数など)
産業医からの話(例)
集団分析の結果の読み方と、職場でできる改善の例

くわしいコラム

2月の議題:心の健康づくりと、相談の窓口

年度末の忙しい時期の前に、相談の窓口と、上司が部下の不調に気づいたときの対応を確かめます。

話し合うことの例

  • 社内と社外の相談の窓口と、社員への知らせ方
  • 上司が部下の「いつもと違う」に気づいたときの対応と、産業医へのつなぎ方
  • 管理職向けの研修(ラインケア)の計画
  • 休職から復職までの流れ(職場復帰支援プログラム)の見直し

この月の国の週間・月間

  • 化学物質管理強調月間(2月)
ほかのテーマの候補
化学物質の管理(化学物質を扱う職場。化学物質管理強調月間に合わせて)、体を動かす(肩こり・腰痛の予防)
産業医からの話(例)
ストレスへの気づき方と、ひとりで抱えないこと

くわしいコラム

  • 社員のメンタル不調、会社は何をする? 予防から休職・復職までの全体
  • 『メンタル不調のサインとは? 職場で気づける「いつもと違う」と、気づいたときの対応』
  • 『ラインケア研修とは? 管理職向けメンタルヘルス研修で教える内容と進め方、90分の組み立て例』
  • 『化学物質の自律的な管理とは? 化学物質管理者の選任やリスクアセスメントなど、会社がすること』

3月の議題:1年の振り返りと、来年の計画

1年の計画がどこまでできたかを振り返り、来年度の計画につなげます。

話し合うことの例

  • 今年の計画の評価(できたこと・できなかったこと)
  • 健康診断・ストレスチェック・職場巡視の結果から、来年に取り組むこと
  • 来年度の計画と、1年の議題の予定
  • 4月に入る人への、雇入れ時の教育の準備

この月の国の週間・月間

  • 女性の健康週間(3月1日〜8日)
  • 自殺対策強化月間(3月)
ほかのテーマの候補
ひとりで抱えないための相談先の案内(自殺対策強化月間に合わせて)、女性の健康
産業医からの話(例)
1年の職場の健康の様子のまとめと、来年に向けた提案

くわしいコラム

  • 『年間の安全衛生計画の作り方:入れる項目と目標の立て方、1年の行事と計画表の例』
  • 『健康経営の指標とは? 何を測って目標にするか、中小企業の数字の選び方』
  • 『職場で伝えたい悩みの相談先:「相談するのは弱さではない」と伝える理由と、社内・社外の窓口、会社ができること』

06開く前と、開いたあとに会社がすること

  1. 1

    議題と資料を決めて、委員に送る会社

    その月のテーマと、報告の資料を用意し、前もって委員に送ります。

  2. 2

    委員会で話し合い、意見をまとめる委員会

    報告を受けて話し合い、会社への意見をまとめます。

  3. 3

    話し合ったことの概要を、働く人に知らせる会社

    下の3つのどれかの方法で知らせます。

    開くたびに、遅れずに

  4. 4

    記録をつくり、保存する会社

    委員会の意見と、それをふまえて会社がとった対策などを記録します。

    3年間保存

  5. 5

    決めたことを実行し、次の会で報告する会社

    進み具合を次の会で報告すると、話し合いが改善につながります。

働く人への知らせ方(どれか1つ)

  • 各作業場の見やすい場所に、いつも掲示する(または備え付ける)
  • 書面を、働く人に配る
  • 社内のパソコンなどに記録し、各作業場に、働く人がいつでも見られる機器を置く

会の進め方の決まりは、委員会で決める

開く日や進め方など、委員会の運営に必要なことは、委員会が決めることになっています。はじめに「衛生委員会の規程」として、次のようなことを決めておくと、毎月の運営が楽になります。

開く日(例:毎月第2水曜日)議長がいないとき資料の送り方議事録をつくる人働く人への知らせ方オンラインで開くときのやり方

07議事録の書き方

記録(議事録)に書くことと、働く人に知らせることは、法律で決まっています。2つは中身がちがいます。

記録(議事録)

必ず書くこと

  • 委員会の意見と、それをふまえて会社がとった対策
  • そのほか、話し合いで重要なこと

3年間保存

働く人に知らせること

知らせる中身

  • 委員会で話し合ったことの概要(あらまし)

開くたびに、遅れずに

議事録の例

第○回 衛生委員会 議事録(例)

日時
○年○月○日(○)15時〜16時
場所
本社2階 会議室
出席
議長 ○○(工場長)、衛生管理者 ○○、産業医 ○○、委員 ○○・○○(働く人の側の推薦)
報告
・前回決めた「倉庫の通路の整理」は完了
・職場巡視(産業医、○月○日):事務所の照明が暗い所が1か所
・時間外労働が月80時間を超えた人:0人
テーマ
熱中症の対策
話し合い
屋外の荷おろしの作業で、休める日かげが少ないという声があった。
委員会の意見必ず書く
屋外の作業場の近くに、日よけのある休憩場所を設けるべき。
会社の対応必ず書く
6月末までに、荷おろし場の横に日よけのテントを設ける(担当:総務課)。
産業医から
暑さに慣れていない時期の注意と、水分のとり方について説明。
次回
○月○日(テーマ:健康診断の受け方)

書かないこと

議事録や、働く人に知らせる概要には、個人の名前や病名など、誰のことかわかる健康の情報は書きません。健康診断のあとの医師の意見を委員会に報告するときも、国の指針で、個人が特定されないようにまとめることになっています。

詳しくは『安全衛生の書類の保存期間一覧:健康診断・面接指導・委員会の議事録など、何を何年残すか』

08オンラインや「書面開催」で開くとき

衛生委員会は、パソコンなどの機器を使って、オンラインで開くこともできます。国の通達(令和2年)では、使う機器について、次の3つをすべて満たすこととされています。

委員が、かんたんに使える

映像や音声が安定していて、意見をスムーズに交わせる

個人情報がもれない、不正アクセスを防ぐ対策がある

進め方は、対面と同じように、その場で意見を交わして、十分に話し合えることが原則です。音声だけやチャットで開くときも、資料を確かめられて、十分に話し合えることが条件です。

メールで「書面開催」をするときは

集まらずに資料を回し、委員がそれぞれ意見を返す「書面開催」も、電子メールなどを使えば開けます。ただし、その場でやりとりしない方法なので、前もって委員会で、そのやり方を決めておく必要があります。資料を送ってから考える時間を十分にとる、質問や意見を委員全員が見られるようにする、意見が出ない委員には確かめる、意見をまとめる担当を決めておく、などに気をつけます。資料を回して印を押してもらうだけで、委員どうしが質問や意見を見られない形は、国の通達の条件に合いません。

オンラインで開いたときも、議事録は同じように記録して保存します。パソコンのデータで保存するときは、労働基準監督署の調査などで求められたときに、すぐに見せて写しを出せるようにしておきます。

09産業医と衛生委員会

産業医は、委員の一人として意見を言うほかにも、衛生委員会との関わりが法律で決まっています。

  • 産業医は、働く人の健康を守るために必要なことを、委員会で話し合うように求めることができます。
  • 産業医から勧告を受けたら、会社は、その内容と、とった(とろうとする)対策を、遅れずに委員会に報告します。
  • 産業医の職場巡視を2か月に1回にするときに、産業医に毎月渡す情報の一部は、委員会で話し合って決めます。
  • 産業医が辞めたとき、また会社が産業医をやめてもらったときは、会社は、そのことと理由を、遅れずに委員会に報告します。

10衛生委員会を始める・見直すときのチェック

はじめて衛生委員会をつくるときも、今の委員会を見直すときも、次のことを確かめておきましょう。

衛生委員会のチェックリスト

  1. 委員を決める議長・衛生管理者・産業医・働く人の側の委員。議長のほかの委員の半数は、働く人の側の推薦にもとづいて指名します。

  2. 委員会の決まり(規程)をつくる開く日、議事録をつくる人、働く人への知らせ方、オンラインのやり方などを決めます。

  3. 1年の議題の計画を立てる健康診断やストレスチェックの時期に合わせて、毎月のテーマを決めます。

  4. 毎月の日程を、産業医の予定と合わせる産業医が出席できる日に開きます。職場巡視と同じ日にすると、気づいたことをすぐに話し合えます。

  5. 知らせ方と、記録の保存を決める概要を働く人に知らせる方法と、議事録を3年間保存する場所を決めます。

委員会を形だけにしないためには、職場を実際に見ている産業医が、毎月の話し合いに加わることが大切です。

津山産業医事務所なら

  • 1

    代表の産業医が、委員会に出席します

    産業医科大学で産業医学ディプロマを取得した代表の産業医が、衛生委員会(安全衛生委員会)に出席し、専門の立場から意見を述べます。

  • 2

    職場巡視で、改善策までご提案

    実際に職場を歩いて、作業環境や設備、衛生状態を確かめ、改善が必要な点と具体的な改善策をご提案します。

  • 3

    衛生講話にも対応

    メンタルヘルス、生活習慣病の予防、感染症対策など、社員の方向けの講話・研修を行います。

おわりに

このコラムのまとめ

  • 常時50人以上の事業場は、衛生委員会をつくり、毎月1回以上開きます。業種によっては、安全衛生委員会にします。
  • 委員は、議長・衛生管理者・産業医・働く人。議長のほかの委員の半数は、働く人の側の推薦にもとづいて指名します。
  • 議題は「毎回の報告」と「その月のテーマ」に分け、1年の計画を立てておくと進めやすくなります。
  • 開くたびに概要を働く人に知らせ、委員会の意見と会社の対策などを記録して、3年間保存します。
  • 条件を満たせば、オンラインでも開けます。

衛生委員会は、会社と働く人が一緒に、職場の健康を考える場です。毎月の話し合いを、小さな改善につなげていきましょう。

産業医の仕事の全体は産業医の仕事内容とは? 会社で何をしてくれるのか、全体をやさしく解説

衛生委員会のご相談は、津山産業医事務所へ

「うちは対象?」「何から始めればいい?」という段階から、お気軽にご相談ください。

お問い合わせフォーム

メール:tsuyama-sangyoi@tsuyama-sangyoi.com

出典

このコラムは、2026年10月時点の内容で書いています。